世阿弥作の能「蘆刈(あしかり)」は、貧しい芦売りに身を落とした男が、
都に去った元の妻と再会する物語です。
江戸時代の名所案内である『摂津名所図会』は、
「大和物語」を引いて夫婦の秘話を紹介しながら、
その舞台となった大物あたりの芦刈島の様子を描いています。


猪名川・神崎川に繁茂する芦の風場が、古くから都に伝わり文学にも描かれたのでしょう。
河口近くの風景は「浦の初島」とも呼ばれ、多くの古歌に詠まれています。